成果

  • 完全自動化

    複雑なスクリプトの処理を自動化

  • 統合

    既存のツール群との連携を実現

  • 回帰テストの高速化と効率化

    テストがより迅速かつ効率的に実行可能に

顧客

  • 産業: 銀行業界

  • 製品: HCL DevOps Test

  • 地域: 北西ヨーロッパ

概要

  • パート 1

    課題

    オープンソースのテスト自動化は、過去 10 年で大きく進化を遂げ、かつての不安定なライブラリー中心の構造から、より成熟したユーザーインターフェース (UI) 主導のテスト作成体験へと移行しています。

  • パート 2

    解決策

    初期段階では 6 つのスクラムチームが DevOps Test の利用に向けてオンボーディングおよびトレーニングを受け、さらに 10 チームの導入が計画されています。これらのチームは、回帰テストやエンド・ツー・エンドのユースケースに注力しており、テスト対象はモバイルからメインフレームまで多岐にわたり、複雑でハイブリッドかつ長時間にわたるシナリオを含みます。中には、デスクトップクライアントからブラウザー、さらにデータベースに至るまで、複数の要素をまたいだ構成も存在します。

  • パート 3

    結果

    DevOps Test は、クラウド移行の途中にあった銀行のレガシーな Jenkins CI/CD パイプラインに統合されただけでなく、すでにクラウド上で稼働していたパイプラインにも、Azure DevOps 用の DevOps Test Azure Marketplace プラグインを通じて統合されました。

課題

オープンソースのテスト自動化は、この 10 年で大きく進化を遂げました。かつての脆弱なライブラリー中心の時代から、より成熟した、ユーザーインターフェース (UI) 主導のテスト作成体験へと変化しています。Postman や Selenium といったツールは、開発者に好まれており、その理由の多くは学習しやすく、プロジェクトに追加コストがかからない点にあります。しかし、オープンソースだけでは、大規模な組織のすべてのニーズに対応できるわけではありません。多くの場合、オープンソースのツールではテスト実行者がコードを書く必要がありますが、これが困難なケースもあります。また、オープンソースでは複雑なシナリオや、最新およびレガシーの広範な技術要件に対応しきれないこともあります。この銀行もまさにそうした課題を抱えており、オープンソース・ツールと、メインフレームや SAP、デスクトップアプリケーションのような「特殊な」レガシーアプリに対応するベンダー製品を組み合わせる方針を採用しました。さらに、デスクトップ、モバイル、Web をまたぐ複雑なテストケースや、アプリケーション・プログラミング・インターフェース (API) やエンドポイントを含む広範なワークフローとの統合にも対応する必要がありました。

同行は、新型コロナウイルスが国際報道される以前から、複数のベンダー製品の評価プロセスに着手していました。EuroSTAR カンファレンスで HCL DevOps Test チームと出会い、テストプラットフォームの性能に感銘を受けたことで、HCL も選定プロセス (ベイクオフ) への参加に招かれました。しかし、評価が終わるころには約 1 年が経過し、テスト担当者の多くは在宅勤務へと移行していました。

評価期間中、リモートワークという複雑な状況に加え、同行は全社的にプラットフォーム、ツール、アプリケーションをすべてクラウドへ移行するという方針を発表しました。対象となるクラウド環境は Microsoft Azure および Azure DevOps です。この段階で、クラウドネイティブなアーキテクチャーに対応できないベンダーはいくつか評価対象から除外されました。その中で、DevOps Test はレガシーなオンプレミス環境とクラウドネイティブの両方をサポートするハイブリッドなアプローチを採用しており、その柔軟性が高く評価されました。さらに、Azure DevOps の Release、Pipeline、Test Plan との即時連携機能も注目されました。

 

同行は、特定のツールを一律に強制するのではなく、オープンソース・ツールとベンダー製品を共存させる柔軟な運用を重視していました。

ソリューション/解決策

初期段階では 6 つのスクラムチームが DevOps Test の利用に向けてオンボーディングおよびトレーニングを受け、さらに 10 チームの導入が計画されています。これらのチームは、回帰テストやエンド・ツー・エンドのユースケースに注力しており、テスト対象はモバイルからメインフレームまで多岐にわたり、複雑でハイブリッドかつ長時間にわたるシナリオを含みます。中には、デスクトップクライアントからブラウザー、さらにデータベースに至るまで、複数の要素をまたいだ構成も存在します。

同行は、HCLSoftware グループのプロフェッショナルサービスを限定的に活用することで、DevOps Test の導入を加速する方針を採用しました。導入当初は、同行の厳格な規則やプロセスに準拠しながらソフトウェアの展開支援を行うために、分野別の専門家が配置されました。その後も、既存の自動化ツールから DevOps Test への円滑な移行を支援するため、新たなユーザーからの質問や課題に対応するサポートが提供されました。

DevOps Test UI と DevOps Test API を組み合わせて活用することで、チームは複雑なスクリプトの完全自動化を実現し、必要なシナリオを「複合テスト (compound tests)」として構築することができました。テスト担当者たちはすぐに、一部のケースでは、従来のオープンソースソリューションよりも DevOps Test を好んで使用するようになりました。特に、DevOps Test が提供する付加価値や機能面での優位性がある領域では、その傾向が顕著でした。好例としては、シンプルな Postman コレクションを、より高度な DevOps Test API ツールへ自動インポート・移行できる機能が挙げられます。

アーキテクチャー審査委員会の承認プロセスで使用された、典型的な展開構成図には、DevOps Test が銀行の Microsoft Azure DevOps パイプラインおよび Azure Test Plans にどのように統合されているかが示されています。

また、DevOps Test の導入企業として、同行は HCL の「Client Advocacy Program (クライアント支援プログラム)」にも参加する機会を得ました。このプログラムを通じて、同行のチームは HCL と毎週ミーティングを行い、ベストプラクティスや課題の解決策を議論できるほか、製品の最新情報や新機能についても継続的に把握することができます。このプログラムにより、DevOps Test に関する専門知識を常に確保し、迅速な対応を受けられる体制が整えられました。

結果

DevOps Test は、クラウド移行の途中にあった銀行のレガシーな Jenkins CI/CD パイプラインに統合されただけでなく、すでにクラウド上で稼働していたパイプラインにも、Azure DevOps 用の DevOps Test Azure Marketplace プラグインを通じて統合されました。また、レガシーな Jenkins パイプラインへの統合にあたっては、同行から複数のカスタマイズ要望が寄せられ、DevOps Test チームはそれに対応するアップデートを提供しました。

会社について

HCL DevOps Test は、HCLSoftware の Secure DevOps 製品ドメインに属しています。HCLSoftware は、HCL Technologies (HCL) の主要なソフトウェア事業部門として、ソフトウェア製品の開発・販売・マーケティング・サポートを担っています。同部門では、Secure DevOps、オートメーション、デジタルソリューション、データ管理、マーケティングおよびコマース、メインフレームといった分野において、20 を超える製品ファミリーを展開しています。

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